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「8020運動」をご存知ですか?これは80歳で20本の歯を残し、一生を自分の歯で過ごそうという運動です。
しかしながら最近では歯肉(歯ぐき)に何らかの異常がある歯周炎や歯周病に悩む人が急増しています。
そしてこれらの病気が歯の健康を損なう最大の原因として大きな問題になっています。

口腔疾患は大きく次の3つに分けることができます。
- 1.虫歯
虫歯は硬組織の疾患です。そのため、一度罹患すると患部を削除して修復するしか方法がありません。私が学生のときは患部を削除するだけでなく、予防や維持力を求めるために健康な歯質も含めて削除し、修復していました。しかし現在、修復材料の向上で、症例によっては削除量をかなり減らすことが可能になってきています。もちろん重度の症例では無理ですが、できるだけ抜歯せず、できるだけ神経を取らずという治療を目指しています。
- 2.歯周病
歯肉(歯ぐきの部分)、歯根膜(歯根と歯槽骨[歯を支える骨]をつないでいる線維)、歯槽骨やセメント質など歯をさえる組織に起こる病気で、重症になると歯槽骨が溶けてきます。40歳代ではすでに80%以上の人が罹患しているといわれています。また最近では若年層にも見られるようになり、今後ますます増加するであろうと思われる疾患です。歯槽膿漏は細菌による硬組織と軟組織の疾患です。急性期では薬の投与等が必要ですが、慢性期では特殊なブラッシング方法で細菌を減少させ、良好な状態を維持させるような治療を中心に行っています。

自然治癒力を引き出し、自分で歯周組織を治す事が必要です。歯を支える歯周組織を健康な状態に治すには歯根膜の隠れた力を十分に引き出す環境作りが大切です。骨の再生には歯根膜は重要で、コラーゲンに富んだ生活力旺盛な組織なのです。
歯根膜を丈夫にする
歯根膜の中には繊維芽細胞というコラーゲンを作り出す細胞が存在し、きわめて新陳代謝が活発です。この繊維芽細胞の中には、もともとは歯根膜になるはずの未分化間葉細胞(先祖返りできる特殊な細胞)があり、それが活性化されると歯槽骨にもなるのです。
ブラッシングをこまめにする
歯周病に侵された歯を抜かずに自然治癒力で骨を再生ためには自分で治そうとする信念が必要です。もちろん、付いてしまった歯肉の下の歯石の除去は専門家にまかせます。まず、歯磨き剤なしのブラッシングをしっかりすることが第一。ブラッシングによって常にポケットに空気を入れ、嫌気性菌が発生しにくい環境を作ることです。歯周ポケットが深い場合は1日5〜7回、1回5〜10分でもいいから、歯と歯ぐきの境目をこまめにブラッシングすることに尽きます。安易な殺菌性の強いうがい薬や抗生物質入りのうがい薬の使用は、腸内に生育している善玉菌を殺してしまう危険性があります。急性状態のときは仕方がありませんが、それがおさまってからは使用しないほうがいいです。つまり一時的に症状が改善されても、それは治癒にはならないのです。
歯の健康と食生活
骨の代謝、免疫力を高める栄養素の補給歯周病を克服するには、夜更かしや喫煙、不規則な食事を改め、バランスのとれた食事を心がけ、骨の代謝と免疫力を高めることです。また、よく咬むことも大切です。咬むことは歯根膜に良い刺激を与えるだけでなく、唾液の分泌を促します。この唾液(特に耳下腺)にはパロチンという歯周病の治癒には重要なホルモンが含まれています。
歯槽骨の再生にも必要なカルシウム
骨と歯の主な成分はカルシウムです。カルシウムが不足していると骨の代謝が悪くなり、治癒(骨の再生)が期待できない場合があります。特に重合リン酸塩を多量に含んだ飲料水を常飲している人は大切なカルシウムが垂れ流しになっている危険性があります。そのような人には特別な栄養素が必要になります。
骨の再生に不可欠なたんぱく質
たんぱく質はコラーゲンを作るのに欠かせない栄養素です。カルシウムだけをとっても、コラーゲンがなければ骨に付着させることはできません。さらに生体の体液成分、例えば血液、唾液、ホルモンなどはすべてたんぱく質から構成されています。また、たんぱく質には免疫力を高める働きがあります。したがって良質なたんぱく質の補給はあらゆる疾患の改善に役立ちます。
各種ビタミンとミネラルの必要性
各種ビタミンとミネラル免疫等の生命維持機能を高めるために微妙な役割を果たします。口腔などを覆う上皮組織や歯周組織を正常に保つには各種ビタミンとミネラルのバランスの良い摂取が有効と考えられます。
腎機能低下にカテキン類
腎臓は骨の代謝に関わっている臓器だけではなく、生体の生命維持装置として重要な役割を果たしています。局所的にはカテキン類には抗菌作用や、虫歯・口臭予防、血中コレステロールを低下させる働きもあります。
〜まとめ〜
歯周病には特効薬はありません。確かな治療とセルフケア、そして適切な栄養補給が不可欠です。当院ではやる気のある方に、特殊な歯ブラシを使用してのブラッシング指導、歯根の清掃等を行っています。自分から進んでやってみようと思われる方はスタッフまでお申し出ください。
- 3.顎関節症(がくかんせつしょう)
顎の関節が痛い・口が開けにくい・開かないなどの症状があり、それに伴い首や肩が異常に凝る。これらの症状を総称して顎関節症と呼びます。歯周病と顎関節症は表裏一体の関係にあり、歯周病に抵抗力がない人は、歯が動揺してくるため顎関節にあまり負担がかからないので顎関節症にはなりにくく、反対に抵抗力のある人で、歯並びが悪かったり、健康的に歯が磨り減らなかったり、ストレス等で発症する原因になります。
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